【短】恋ごころ

つか、セフレじゃん!!

制服を身に纏ったあたしは、ただタクヤに視線が向くばかりで…

いつまでこんな関係続けるのって正直思う。


でもこの関係がなくなればタクヤと会えなくなってしまう。


床に置いていた鞄を肩に掛けると、タバコを吸い終わったタクヤは起き上がりクローゼットの中から適当に服を出し、それに着替え始める。


「どっか行くの?」

「あぁ」

「また喧嘩?」

「いや、違う」


ホントなの?そう心の中で呟きながらも、


Γそう…」


冷静な自分で返す。


Γちゃんと明日美は送ってくから」

「いいよ別に」


着替え終わったタクヤはテーブルに置いているバイクのカギを掴む。

部屋を出ようとするタクヤの背後を見つめてると、タクヤは首を傾げたままゆっくり後ろを振り向いた。


Γ帰えんねぇのかよ」


あっさり返されたその言葉にまた胸が痛む。

ほんと、ヤったらヤったで終わり。最後の癒しの場なんて何もないんだから。

でも、それでもいいからあたしはタクヤと居たい…と思ってたんだけど。


Γおい、明日美!!」


ちょっと弾かれた声に身体がハッとする。視線を向ける先のタクヤは深くため息を吐き出し髪を乱暴に掻き乱した。




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