大嫌いだから、ね?(短編)



 ・・・頭、真っ白。



 燃え尽きました。

 席に戻って、後ろから理佳がいった。



「すっごい、かっこよかったよ、陽菜。

 凛々しくて、すっごく綺麗にみえたよ」

「ほんと、ありがとう」


 緊張から解き放たれたせいか、頬が急にぽかぽかとあったかい。

 きっと、真っ赤だろう。



 でも、大役をきちんとこなせてよかった。



 たぶん、ううん、ぜったい光くんも見たよね。

 声を出すのに精一杯で、生徒の顔を見回す余裕なんてなかったけど。

 いたよね。


 
 私が、むかしのままじゃないってわかってくれたかな?

 どうかどうか、もう、いじめてもつまらなそう・・・って思って、もう、関わってきませんように。

 真剣に願ってしまう、私はやっぱり、昔と変わってないのかな?

 
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