満員電車の君
ふと、下の方に目をやると


あの人が、いた……。 



一瞬、目が合ったような気がした。 



でも、すぐさま、あの人はいつもと同じように視線を本に落とした。



こんなにも近くにいるなんて……



同じ車両から、こっそり探していたあの人が――



今、私の目の前にいる。




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