お隣りさんlover





七時を過ぎた頃




家に向かう自転車は
久しぶりに


あの場所を下る




「ん~今日は微妙…」

「結構いっぱい星出て無い?」

「こんなもんじゃねぇぞ~」




何でも知ってるんだなぁ

この星の数だけでも私には十分だけど



「もう十分だな~」

「ん~」

「満足したよ、明日からまた頑張ってね!」





軽く渓ちゃんの背中を叩く

そしたら「え?」って言って振り向く



「前見てってば!
事故るっ」





相変わらずの癖
しかも今坂下ってるから
すっごいヒヤヒヤした



「奏はそれでいいの?」

「それぐらい平気だよ~
渓ちゃんあたしみたいに暇じゃないしね」





本心はね? 本心は本当は平気じゃないけど






渓ちゃんの事考えたらこれが当たり前でしょ、

私にはこれぐらいしか思い付かない






しばらく黙る渓ちゃんは

今どんな顔してる?

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