ヤキモチなんて、全然美味しくないしね。

君の足音。
もう、足音できみを判別可能です。

電話、終わったのかな。


「ごめんごめん、」

顔は上げない。
ヤキモチ焼いてる顔、見られたくないもん。

「…明日の部活のことでね、って聞いてる?」

ちょっと困ったように、あたしに聞く。

「聞いてるー」

顔を上げる。
ぐちゃぐちゃになった髪を直す。

「で、俺は連絡係という名の雑用係なので、明日のことを色々打ち合わせしてたのです」

聞いてもいないのに、事細かに報告してくれる彼。

いつも部活で忙しい君。

悔しいけど、部活頑張っている貴方が好きです。なので、ヤキモチやくのはやめます。

それに、今の君は、私だけのものだもんね。

これ以上何を求めるっていうの。


「よっ!頑張れ雑用係!」

「マジでThe雑用係だからね」

笑うきみ。

ああ、なんて些細で、大きな幸福だろう。




*ヤキモチなんて、全然美味しくないしね。*
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