。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
戒―――………
戒は苦い笑みを漏らして、俯くとあたしから目をそらした。
「わり。昨日話し合いで決めたことだし、あの選択は一番利に適ってるはずなのに。
だけど……
心のどこかでやっぱり俺は不安なんだ」
戒があたしの手を握る手の力を少しだけ緩める。
あたしはなんだかそれが寂しくて、慌てて戒の手を握り返すと、戒はちょっと驚いたように顔を上げ目を開いた。
繋いだ指先は戒の気持ちを表しているようで、こいつの脆い部分がちょっとだけ伝わってくる。
いつも堂々として勝気で、俺様で……でもすっげぇ頼れて、いつでもあたしを支えてくれて
いつもまっすぐにあたしを想ってくれる。
そんな戒が大好きだよ。
だけどこんな風に気弱になってるところも―――可愛くて、あたしが守ってあげたくなる。
包んであげたくなる。
抱きしめてあげたくなる。
大好きだよ。だから心配しないで
あたしは小さく囁いて戒に顔をそっと近づけた。
自分から戒の唇にキスを落とす。
戒の柔らかい唇はさらりと心地よく、
爽やかな香りがした。