。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
*琢磨Side*
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== 琢磨Side ==
「朔羅、こんなとこ蚊に食われてンぞ」
俺が“それ”を見つけると、朔羅はあからさまに狼狽の色を見せた。
「お前見るからに血が旨そうだもんな。蚊取り線香炊いとけよ?」なんて言って気付かない振りをしたけど……
んなわけがあるかぁ!!
俺がバンッ!とデスクを叩くと、朔羅と入れ違いに入ってきた鴇田がびっくりしたように目を丸めた。
戒―――……
「あ゛のやるぅおう!」
低く唸ると、びくぅと鴇田が肩を揺らした。
「どうされたんですか?」
怪訝そうな鴇田の声も耳には入らずに、俺はもんもんと朔羅と戒の二人を思い浮かべた。
まさか朔羅―――!!!
あいつにもう許したのか!?
いや……そんなはずはあるまい……
あいつはああ見えて身持ちが固い。結婚するまでは嫌だ、と今時の若者には珍しく古風な考えの持ち主だ。
雪斗のことがあるから―――
自然、そう考えるのだろうな。きっと………