。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。



「わ…懐かしい…。ねぇこのちっこいのってあたし?」


「そうですよ?俺からしたら今でもお嬢はちっさいままですけどね」


マサが笑って、あたしの頭を軽く撫で、その手のひらの温もりが親父の温もりに―――…ちょっと似ていた。


「ちっさい言うな。お前は昔っから人相悪いよな」


照れ隠しに言ってあたしはマサを睨み上げた。マサが穏やかに笑って、(ってか元が怖い顔だからあんまり効果ないけど)


それでも


「お部屋でゆっくり御覧になったらどうです?」


そう気遣ってくれて、あたしは「うん……ありがと」ぎゅっとアルバムを抱きしめた。


―――この写真、戒に見せてやろ。あいつはあたしの母さんや親父の顔知らないし、きっと見たいはず。


そう思って戒の部屋を開けると、


またも空っぽっだった。


おかしいなぁ。今日は居ると思ったんだけど。


何せさっきキョウスケを派手に言い合いしてたから、あいつの部屋に居るとは考えにくかった。


でも一応…


万が一拳の喧嘩でもしてたら大変だ!


あたしがキョウスケの部屋の前で、例のごとく襖に耳を寄せると、


「てめぇやりやがったな!ぶっ殺してやる!」


と、戒の(小さい)怒鳴り声が聞こえてきた。









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