。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


あたしはキョウスケから手渡されたケータイの文面を見て、しばらくの間まばたきもできなかった。


ケータイにはキョウスケの言葉通りの言葉が書かれていた。


戒―――…せっかく約束したのに……


「戒が来れへんて?あの子はまぁ、こんな日ぐらい断ればええのに。しようのない子やわね」


と鈴音姐さんがちょっと目を吊り上げる。


「い、いえ!今日はスタッフも少なかったし、もしかしてって考えてましたから」


あたしは慌てて手を振って、大げさに笑った。


ホントはそんなこと思ってなかった。





楽しみにしてた。


戒は、はじめて花火大会に行くって言ってたし―――





でも戒は―――困ってる人を放っておけない性分だって知ってる。


仕方ないよ……


あたしは笑顔の下にため息を隠して、それでもひたすらに笑い続けた。


「じゃあ俺ら三人で行きましょう」


キョウスケが提案してくれたけど……


「いや…あたしは……」


リコはキョウスケが好きなわけだし…あたしお邪魔むしだよ、きっと。


なんてちらりとリコの様子を伺うと、


『いきなり二人きりなんて絶対無理!!朔羅、お願いだからついてきて!!』


と血走ったような目がそう訴えていた。


リコ…怖えぇよ…




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