。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


そう



あたしに堕とせない男なんていない。この美貌と頭脳でいつもモノにしてきた。


いつだってそうだった。


欲しい男がいれば全力でモノにしてきた。それがヒトのものだろうと、まるで構わない。


でもいつだって本気で恋したことはない。


人のモノだから欲しいと思うのだろうか。手に届かないと思うと、余計に欲しくなるのだろうか。


厄介な性格ね。



恋は戦争。求め、奪い―――常に闘って手に入れるもの。


その方法にきれいも汚いもない。



ずっとそう想っていた。



だけど―――





『そうゆう卑怯な手段はどうも好かん。好きな女ぐらい真正面から堂々と手にいれたい』




あの男―――……





鷹雄 響輔の一言が妙に脳を刺激する。



いつまでも。


まるで解けない呪縛のように―――



あたしの中を不快に満たし、支配する―――





なんなの、あいつ。








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