。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


――――


「―――で、あるからしてぇ夏休みだと言っても羽目を外さないように…云々」


さっきから校長の話、長い。


もう二十分以上喋り続けてる。


あたしたちは生徒は体育館にずらりと並べられ、さっきから生徒指導の先生や、生徒会長、そして校長先生の話に耳を傾けている。


最初の方、戒は…


「いてっ…響輔のやつ、派手にやりやがって…」


と悪態をつきながらも、わき腹を押さえていた。


あたしと戒は名字が同じだし男女で並んでいる順も一緒。だから隣同士ってわけ。


「おめぇが起きないからだろ?」と小声で抗議する。


「なぁお前とキョウスケって喧嘩でもしてんの??」


「はぁ?喧嘩?してねぇよ。俺らはいつもあんな感じだぜ?」


そうかなぁ。何かこう…ただの仲良し幼馴染って雰囲気じゃない気がするんだけど…


と言ってもそれはつい最近のことで―――


ホントに何もないのかなぁ?




なんて考えてると、さっきからやたらとコソコソ話しかけてきた戒が静かになった―――と思いきや、


こいつは立ったまま目を閉じて―――眠っていた。


器用なやつ。





「ね、ねぇねぇ龍崎くん寝てる??」

「や~ん…可愛い♪」





なんて方々から(女子の)声がひそひそと聞こえてくる。


まぁ寝顔だけなら、天使みてぇなんだけどな。


無駄に色気があるし。


だけどこいつの寝起きは超絶悪いんだぜ?


ってあたししか知らないことか…


そんなことが、あたししか知らないことだと分かってあたしは何だか嬉しくなった。






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