栄人と優人ーエイトとユウトー
「ごめんね。九年間と六年間しか人生をあげれなくて。これからどんな素敵なことが二人を待っているか分からないけど、お父さんとお母さんね、心配で二人だけを残していくことはできないの。天国で、また四人で幸せに暮らそうね。」
泣きながらも、姉の早紀は「うん。」と答えた。早和は母親の言っている意味がよく分からなかったが、みんなが泣いているのを見てとても悲しくなり、わんわん泣きながら「うん。」と言った。
「それから私は泣き疲れて寝てしまったのね。目覚めたら、そこは病院だったの。」
栄人は途中で相槌を打つでもなく、ただ黙って早和の話を聞いていた。
「私達一家は崖から車ごと海に落ちて心中を図ったみたいだけど、私は母に抱きかかえられていた為奇跡的に助かったみたい。
それから、私は毎日のように夢をみたわ。
いつもあのピクニックの夢なの。
最初は楽しんだけど、最後は家に来ていた借金の取り立て屋に追いかけられるの。
みんなで必死に逃げて、私が父や母や姉を大声で呼んでも誰も返事をしてくれない。
結局誰もいなくなって、私だけその場に取り残されるっていうところでいつも目覚めた。
夢をみながら、きっと本当に大声でみんなを呼んでたんだと思う。目覚めるとその度に看護師さん達が病室に来てくれていて、大丈夫よって抱き締めてくれた。
けどね、私はお母さんじゃない!って困らせたみたい。
今でも時々ね、その看護師さん達に会いに行っているの。
今の私があるのは、その看護師さん達のお陰だと思う。
泣きながらも、姉の早紀は「うん。」と答えた。早和は母親の言っている意味がよく分からなかったが、みんなが泣いているのを見てとても悲しくなり、わんわん泣きながら「うん。」と言った。
「それから私は泣き疲れて寝てしまったのね。目覚めたら、そこは病院だったの。」
栄人は途中で相槌を打つでもなく、ただ黙って早和の話を聞いていた。
「私達一家は崖から車ごと海に落ちて心中を図ったみたいだけど、私は母に抱きかかえられていた為奇跡的に助かったみたい。
それから、私は毎日のように夢をみたわ。
いつもあのピクニックの夢なの。
最初は楽しんだけど、最後は家に来ていた借金の取り立て屋に追いかけられるの。
みんなで必死に逃げて、私が父や母や姉を大声で呼んでも誰も返事をしてくれない。
結局誰もいなくなって、私だけその場に取り残されるっていうところでいつも目覚めた。
夢をみながら、きっと本当に大声でみんなを呼んでたんだと思う。目覚めるとその度に看護師さん達が病室に来てくれていて、大丈夫よって抱き締めてくれた。
けどね、私はお母さんじゃない!って困らせたみたい。
今でも時々ね、その看護師さん達に会いに行っているの。
今の私があるのは、その看護師さん達のお陰だと思う。