オルゴール
「大丈夫だよ」

「え?」

「泣かせない、自信はある」

「ほんとかよ」


少し笑って、それから話しを変えた。

二時間目からまじめに授業に出て、昼ご飯。


「祥太、雄紀。一緒に食べよ」

「おう」


前に祥太が付き合ってた女。
祥太はこういうのを気にしない。


「あ、楓子は?」

「ふうちゃん?今日、来てないんじゃない」

「そか」

「雄紀」

「ん?」

「逃げちゃダメだよ」

「分ってるよ」


祥太はこういうのを気にしないと言ったけど、訂正。

こいつが特別なんだ。

俺にとっても祥太にとっても。


「分ってないよ。今日ふうちゃん来てないのも今知った」

「それは…」

「二人とも熱くなりすぎ。亜也もいきなり、つっかかるなよ」

「心配じゃないの?」


俺と祥太と亜也と楓子は、良く一緒にいる。
だけど、ちょっと事件が起きてしまって。

楓子が学校に来ない。


「亜也は、他人の心配してる場合かよ」

「え?」

「まぁくんとはどうなわけ?」


まぁくん、匡史さん。
亜也の今の彼氏。
そして、うちの高校付属幼稚園の保育士さん。
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