+゚隣のキミ+。








 「りゅぅ..あたしは..

 龍と付き合えて

 ほんとにほんとに

 幸せだったの。

 ほんとに大好きだったの。

 だけど、他の人を

 好きになった以上

 龍の隣にいる資格はないから


 だから、龍。

 別れよう..」



 涙が止まらなかった。

 べっとが涙でぐしゃぐしゃに

 なるくらい泣いていた。


 『なんで別れようって

 言ったおまえが泣いてんだよ』

 龍が笑ってた。


 その笑いがすごく悲しく

 聞こえて、あの

 くしゃっと眉を下げて

 悲しげに笑う龍の顔が

 頭に浮かんだ。



 『俺も里菜が大好きだった。

 愛してた..。っ..

 今まで..ありがとな..。

 俺は幸せ者だよ..。』



 龍が泣いてた。

 最初で最後の龍の涙。


 あたしは慰めることも

 涙を拭くことも出来ない。



 龍..。




 「ごめんね..

 ごめんね..」



 謝ることしか

 考えられなかった。



 電話越しに響く

 二人のすすり泣く音。





 こうしてあたしたちの

 11ヶ月続いた恋は

 終わりを迎えた。
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