悪魔の連鎖ポイズン・キッス
渚は驚いた。なぜならかずやが、両目からポロポロと、大粒の涙を流していたからである。

「ほっ、本当にどうしたのかずクン!? 」

「…解んない。何だろこの気持ち。僕、本当におかしくなっちゃったのかな?

でも、何で…」

かずやは、渚にそっと近づき、渚の顔に両手を添えて言った。

「何で君は女の子じゃないんだよ…」

「…そ、そんな事言われても…困るんだけれど。

と、とりあえずボクの顔から手をどけてくれない?(^м^;)」

「…」

かずやは、渚の言う通りに、無言でその手をひいた。

-何だか分かんないけれど、かずクンのボクを見つめる眼…


…なんか、危険…
(o‘;)-


かずやは渚をじっと見つめ、渚はその視線を避けるかの様に顔をかずやからそらし…
気付けば二人とも、その構図のままの状態で、数時間沈黙の空間を共有していた。

だが、ようやく渚によって、その沈黙が破られた。

「…えっと、あの、愛菜ネエ中々帰ってこないね。」

「…」
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