青い春と風の中で
「――あ、ありがとうございます。…まだ初日ですから、慣れないこと続きで、生徒さんにも迷惑かけてしまいました…」


自分の失態を話しながら、恥ずかしくなり俯き気味で目を伏せると、坂上が肩をぽんと軽く叩きながら笑って言った。


「大丈夫ですよ。貴方はまだ若いし、失敗を恐れちゃ駄目です。――頑張れば、必ず後から良い結果が出てきますから」


…と、言ってくれた言葉に、グッときた葵は目を潤ませて、「――はい。頑張ります」と笑顔で応えると、坂上は嬉しそうにうんと頷いていた。
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