幸せはひとつでピリピリ甘い

家族のこと、学校のこと、友達のこと、部活のこと。

ばいばいするのが嫌なせいか、話すことが、どんどん出てくる。

君との取り留めのない話は楽しくて、私の胸はじわりとあつくなる。


君に触れたい、近付きたい、だけど、なかなかできない。


そんな自分にいらいらする。


もう、


ほんと、



臆病なあたし、どっかいってよ。





なけなしの勇気を振り絞って、彼の指を、そっと握る。





彼も、握り返してくれる。







会話が途切れる。





彼の指は、相変わらず私の指を優しく握り返している。


ぴりぴりと体がむず痒くて、なんだか涙が出そうになる。


幸せって、こういうことかな。


彼と自分の指にやっていた目線を、彼の顔に合わせる。

恥ずかしいけど、目は逸らさない。

勇気を、もうひとしぼり。




「いつも、ありがと」



私の、精一杯。





彼は、優しく笑った。



*幸せはひとつでピリピリ甘い*
< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

今日は、いい天気だ。
キリナ/著

総文字数/1,098

恋愛(その他)4ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
*短編* 朝日がまぶしい。 なんでもない、一日のはじまり。 おはよう。 *今日は、いい天気だ。* 2012/09/30
部活後サイダー
キリナ/著

総文字数/450

恋愛(その他)1ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
*短編* そんな、部活帰り。 先輩、それは反則です。 *部活後サイダー* -special thanks- 春村コウ様
とても微かな愛の言葉を。
キリナ/著

総文字数/3,461

恋愛(実話)15ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
*短編* 覚悟していた日が迫る 泣かないよ。 送り出すの 最大級の笑顔で “だいすき” を、込めた 『いってらっしゃい』 *とても微かな愛の言葉を。* 曖昧シリーズ 単発は、これが最後です。たぶん。 半歩といえど、 大きな前進。 2012/04/01

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop