好きな人はスカウトマン。
今でも、思い出すと腹が立つ。




「ねぇねぇ、お姉さん達ドコ行くの?」




聞き慣れた声が、あたしの前を歩く女の子達を呼び掛けている。



見たくなかった。





見たくなかったよ。








圭太は、スカウトマンになっていた。





スカウトマン。


女の子に声を掛ける仕事。


女の子に、夜の仕事を紹介する仕事。




そういえば圭太は、あたしと付き合っている頃から、「スカウトをしたい」なんて言っていたね。




「でも、美雪が嫌がるからやらないよ」
とも。
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