好きな人はスカウトマン。
「わりぃわりぃ、ちょっとこれから約束ができちゃって。美雪はもう帰る?駅まで送るよ!」


「わかったぁ」



圭太は優しい。
でも、こんな優しさは、今は要らないと思った。


きっとこの後の約束っていうのは女の子との約束なんだろう。
だから、送ってもらう事が余計惨めに思えた。


新宿駅の改札前で立ち止まり

「あのさ、またメールするからさ、これからも今日みたいに話せないかな?俺、久しぶりに美雪と話して思ったけど、やっぱり……」



圭太は、そこまで言いかけて口を閉じてしまった。
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