好きな人はスカウトマン。
圭太の、パスタを丸める手の動きが止まった。

「なんだよ、いきなり。何かの冗談?」

口は笑ってるけど、目は笑ってない。

圭太にこんな表情をさせてまで別れるべきなのかな。

ちょっと迷ったけど、続きを話した。

「冗談で別れるなんて言わないよ。いきなりこんな事言い出してゴメン」

「……」

「でもね、ずっと考えてたの。あたしのワガママなんだ。圭太は何も悪くない」

「だったら! 理由は何?」

だんだん圭太が不機嫌になってくるのが分かった。



「他に好きな人が出来た」

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