素直になれば
「沙那がさぁ…アメリカ行くんだってさ。……俺に一切相談しないなんて、ひどくね?別れよなんて、淡々と話しやがって。かもっていうか、別れたんだけどな。」
後輩に、こんな未練たらたらなこと言って、情けない自分に呆れて、なんだか少し笑えた。
「…沙那さん、本当は辛かったんぢゃないですか?」
「え?」
突然の言葉に、驚いた。
「沙那さん、逆井先輩のことすごくスキだと思います。もしあたしが沙那さんでも、泣くの堪えると思います。」
「なんで堪えんの?俺、待つって言ったのに…。」