誠-巡る時、幕末の鐘-



「ニャー」


「あ、おうか!!どうだった!?」


「ニー」




桜花はいつもより弱々しく鳴いた後、澪ちゃんの頬をペロペロと舐めた。




「見つからなかったみてぇだな」


「あぁ。八方塞がりだぜ」


「やっぱり鬼切が絡んでるんじゃ」




永倉達三人も日頃の元気の良さがなりをひそめている。


出てくる言葉は悲観的なものばかりだ。




「こんな時に神仏がいてくれたら………ん??」




近藤は頭をかきむしりながら叫んだが、急に手を止める。


みんなも動きを止めた。


そしてじっと千早を見る。




「お前……神様だったっけか??」


「……何だ、その疑問系は。当たり前だ」




みんな忘れかけていた。


千早が神様であることを。


どうも自分達は人外の者がすぐ側にいる暮らしに慣れてしまったらしい。


千早が栄太と変わらない少年姿というのもあるだろう。



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