誠-巡る時、幕末の鐘-

立つ鳥、後を濁さず




―――屯所




「ただいま、響」


「お帰りなさい。………きゃっ!!」




奏は響に抱きついた。


ぎゅっと離れない奏に響は思わず声を出した。




「記憶戻ったよ??」


「えっ!!?…本当に??本当の本当にですか??」


「あぁ、本当の本当にだ」


「……良かったぁ」




眉を下げ、今にも泣き出しそうだ。


今度は響から奏をぎゅっと抱きしめた。




「ただいま〜」




玄関の方から藤堂の、疲れ果てた声が聞こえてきた。


奏はみんなよりも一歩先んじて帰ってきていた。


一緒に戻ってきていた沖田と珠樹は、話があるらしい。


二人で壬生寺へ入っていった。




仲がいい程喧嘩するって本当だよなぁ。


珠樹には仲良くして欲しいし。


私的にはレオン様より珠樹と仲良くして欲しい……。




それが今の沖田への願いだ。



< 954 / 972 >

この作品をシェア

pagetop