夏の記憶

教室の告白

「せーので言おうね」


机に向かい合わせに座った梢(こずえ)のアーモンド型の目が、
大きく見開いている。



「ほんとに言うの??」


秘密を早く共有したくてうずうずしている梢とは対照的に、
わたしはもう長いことその告白を先延ばしにしていた。



「も~~ぉっ!!いい加減覚悟を決めろ~~」



梢が机をたたく。
しびれをきらしたみたい。



「ちゃんとお互いの好きな人を暴露するって、さっき約束したよねー!?」



「う、うん。でも…」



たぶん梢は、わたしの好きな人を知りたいというより、
早く自分の好きな人をしゃべってしまいたいんだと思う。



「覚悟決まったよね?」



これはほとんど強制的。



「せ~~~のっ」


梢が身を乗り出す。
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