夢幻-ゆめまぼろし-
「ちょっと!!
 お姉ちゃん!!
 どういうこと?!」


部屋の荷物を
片付けていると
妹の咲乃が息を切らして
慌てて来た。


「ゴメン。
 お姉ちゃん、
 二度と戻ってこないかも。」

「なんでっ!!嫌だよ!!
 お姉ちゃんっっ!!
 また一緒にピアノしようよ!!
 ねっ?お姉ちゃん!」

「咲、私捨てられたの。
 ごめんね、咲。
 もう、ピアノはできないよ…。」

「お姉ちゃん…嫌だよ。
 …なんで…。」

「咲。
 今までありがとう。
 元気でね。」


私は荷物をつめ終わった
キャリーバックを引いて
部屋を去った。


「嫌だぁぁ!!
 お姉ちゃん!!
 うあぁぁぁっっ…。」


妹が泣き叫んでる声が
ずっとこだましていた。


ごめんね。
咲。


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