ヤンキー君はトキメキ製造機
~第一章~はじまり







暖かい春の日差しが
カーテンの隙間から入り込んできた

部屋は気持ちの良い明りに照らされた

窓を開けると入ってきた風に
鼻腔をくずぐられる


・・・まだ少し、風は冷たい




「芽亜いいかげんに起きなさい」


下から聞こえるお母さんの声。


「起きてるよ」って言葉は飲み込んだ。


*******************

一階に降りると同時にお母さんがため息をつく

「いったい何時だと思ってるの」


お母さんの声に棘がある


「起きてたよ」ぶっきらぼうに言う


「朝ごはん早く食べちゃってよ」

お母さんに急かされてトーストをほおばる


極めて不味い訳でもなけりゃ
目立って美味しい訳でもない

無味。

いつからか私は人生に「味」を感じなくなっていた

平々凡々な毎日

自分は不幸だと神様を恨もうなんて思わないけど
別に毎日が楽しい訳じゃなかった


私は長い間恋をしていない


恋の仕方なんて忘れた


ましてやしたいとも思わない


不毛だ
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