Love Box:)







「ほら、みちる、」


たっちゃんが帰ってきた。

手にはソフトクリームが1つ。彼はそれをあたしの顔の前にさしだす。



ひんやりと甘くて甘くて、あたしは夢中でそれを舐めた。

だんだん溶けてきて、向こうもこちらも滴り落ちる。

アイスを持ったたっちゃんの手にも落ちて溶けた。

どうしようもなくなった頃、あたしの顔の前から遠ざかったアイス。がぶり、一気に半分くらいを食べてしまったたっちゃんをみてスカッした。

これ以上床がよごれてしまわないようにパクパクパクと勢いよく食べる。




「ハィ、」


最後の一口を差し出されて、私もパクリと飲み込んだ。




もう息は苦しくない。










< 60 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop