じゃあさ、俺が教えてやるよ。
 




横ですやすやと眠る彼女に、そっと毛布を掛けてやる。


この行為を始めて、もう二年。


俺は大学を卒業して大手スポーツ企業に就職し、彼女は大学二年生になった。


「…み……な…み、」


名前を呼ばれて近付くが、彼女は寝息を立てている。


寝言でも、名前を呼ばれると思わず顔がにやけてしまう。


彼女の名前は西宮 柚。


俺の幼なじみだ。


幼なじみだけど、漫画のように良い関係じゃない。


柚には好きな奴が居るんだ。


……俺じゃない、別の奴が。









< 2 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop