LOST MUSIC〜消えない残像〜


手に力を一層込め、全員の煌めく目を見て、俺は合図を送るように強く頷く。


そして、美星丘の澄み切った空気を肺いっぱいに大きく吸い込んだ。


「絶対、デビューすんぞ!」


『いくぞ、Stellar!』


満点の星空に俺等の強い誓いが轟く。


星へとのぼる一つになった声。


そうして、かたく握られた五つの拳は、天高く突き上げられた。


――星にさえ届きそうなほど、高く高く――。


もちろん、その拳の先に輝くのは、たった一つの俺等の特別な星だ――。



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