僕らの瞳にうつる世界。


あっくんから貰ったネックレスを外す。



『俺の夢は、プロ野球選手になること』


『?』


『でもさ、その夢を叶えた時、結衣が隣に居ないと意味がないんだ』



あの時。



『だから……付き合わない?』



告白してくれて、本当にありがとう。


それからあっくんが亡くなるまでの2ヶ月は本当に幸せだったよ。


一生忘れない。


――… だからケジメとして言うね。



「あっくん、別れよう」



ありがとう。大好きでした。

誰よりも、何よりも。


…開いていた窓から風がやって来て、フワリとカーテンを揺らした。なんだかそれがあっくんの返事のような気がして。


あたしは笑った。


< 148 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop