僕らの瞳にうつる世界。


ねぇ、あっくん。

あっくんを忘れるって決めた日にこう誓ったのを覚えている?



いつか、あっくんよりも好きだと思える人に出逢って、恋して。

あっくんに胸を張って『幸せだよ』って言えるように。

『夢を叶えたよ』って、笑って言えるように。


生きると誓った。



あたし、あっくんと同じくらい大好きな人を見つけました。


あたし、幸せです。


そして、まだ叶ってはいないけど叶えさせてと言ってくれる人が居ます。



あっくん、
あたし笑って生きるからね。




「あの、さっき歌ってたのは君かな?」



近づいて来た足音。



「はい、そうですけど……?」


「私はアーティストのスカウトをしている、近野と申します。少しお話よろしいでしょうか?」




先輩と顔を見合わせる。


幸せのカウントダウンはもう始まっているのかもしれない。


僕らの瞳にうつる世界はいくらでも自分の力で輝かせることができる。


君が隣にいてくれるなら。






―END―


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