僕らの瞳にうつる世界。


「今、なんて……」



青ざめたように呟くと先輩は、そそくさとギターを片付けた。


訳が分からないあたしは彼を見つめる。



「今から明日香ん家行くぞ」


「えっ、なん……」


「早くしないと明日香の命が危ない」



明日香の命が……危ない?


事の重大さに思わず思考が停止した。


それを分かってか、先輩があたしの手を掴んで立ち上がらせるように引っ張った。…厳密に言うと手首だが。



「早く。行かないのか?」


「っ…行く!」



フッと一瞬笑うと、彼はあたしの手を引いて走り出した。


明日香……!



























< 76 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop