腐女子も恋していいですか?
「あのさ、岬」
 なぜか言いにくそうに、だけど聡くんは、シッカリ私の目を見て話し出した。


「ん、なに?」
 クリクリの瞳に見られて、ドギマギと胸がザワツク。


「もし、よかったら…というか、出来ればお願いしたいんだけど」


 意外と人がいるBLコーナーで、男女二人が向かい合って、目を見つめ合う…。その一風変わったシチュエーションに、周りの女の子たちが、チラチラとこっちを注目し始めた。


 女の子たちの視線を感じて、嫌な汗が体から出てくる気がしてならない。


「お、お願い?」


「この間、岬に選んでもらった本、豪く友子が気に入ってさ。好みがわかったことを不信がられて、誰に選んでもらったのか教えろと迫られてさ。俺が選んだんじゃないってバレバレだった…。それで、思わず岬の事を話しちゃったんだ」


「そ…う」
 ん? 何の話しをしたいのかな?
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