腐女子も恋していいですか?
「だってー、私もよくわかんないんだものー」
「聖がわかんないことが、私たちにわかるわけないじゃない」

「そうだよぉ。全然わからないよぉ」
「そんなー、瑞穂ー、舞ー。見捨てないでー」

 
「とりあえずぅ、デートはしてみたらどぉ?」
 舞がそう切り出すと、聖が私の手を掴んでくる。


「だから、瑞穂、お願い! 一緒にデートして!」
「はぁ!? 何言ってんの? 二人に付いて行ったら、完ぺきにお邪魔虫になるでしょー。 絶対に嫌!」


「だから、彼にもう一人誰か連れてきてもらうから、お願い!」
「えー、嫌だよ。何で私が」
「ねえ、本当に、この通り!」


 聖が、珍しく私に頭を下げてくる。
 聖をこんなにしてしまうその東雅の男子に、ちょっと興味も出て来た。
 どんな人なんだろう。


「んー、そのデートっていつするの?」
「ありがとう、瑞穂ー!」
 聖に抱き付かれ、私はよしよし、と頭を撫でる。



 そのデートがきっかけで、聡くんがあんなことになるなんて、その時は思ってもみなかった―――。
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