腐女子も恋していいですか?
「そうかっ! おめでとう、瑞穂!」
 バンッ! と思い切り背中を叩かれ、聖を睨みつける。


「痛いなー! 聖の、馬鹿力!」
 この聖を、あんなに大人しく可愛くしてしまう村雨くんって、やっぱりすごいわ。


 アー、イテテ。


「もしかしてぇ、これで3人とも彼氏が出来たってことだね!」
 きゃっきゃっと、舞が跳ねて喜ぶ。


「実はぁ、いろいろエッチな相談とかぁ、したかったんだよねぇ」
 ふふふっ。と嬉しそうに笑う舞に、私は唖然としてしまった。


 私には、ハードルが高いよ、その相談・・・・・・。
 聖もそうだよね。そう思って、聖を見ると、今まで見たことが無いくらいに真っ赤に、顔も耳も首も染め上げている。


「ま、まさかっ」
「あれぇー、聖どうしたのぉ、その真っ赤っかな顔ぉ。あっ! もしかして」

「ない! ない、ない。違うからっ」
 慌てて、私たちから離れて、急ぎ足で階段を駆け上がる。


「待ってよぉー、隠さなくてもいいじゃぁないー」
 舞が追いかけるように、階段を上がっていく。


 ええっー!
 もしかしなくても、あの聖の態度・・・・・・。絶対に…ヤッタ…よね…。


 ショックなんですけど・・・・・・。


 聖に先を越されたとか、そんなんじゃなくて、あの聖がっ!? と、考えてなかったことだけに、ショックで、ボー然としてしまう。
< 57 / 61 >

この作品をシェア

pagetop