氷女子と水男子

「…告白って何…?」

「さっき氷華が多季って言ってたし、多季ちゃんが水斗に告ったんじゃない…?」

「ま、まじで? てか、さっきの水斗、かなりサイテー」

「だから。てか胸って、あんたどこ見てんのよ! って」

「確かにー」

そういうほとんどが女子。

男子は、

「まぁ水斗の言うことも最もだよな…」

「ああ…確かにな」

「水斗は着目点は間違ってない!」

…との言い分。

多季は、うつむいて顔が真っ赤。今にも泣きそうだ。

ただただ乱暴に開けられたドアを見つめて呆然とする水斗に、大輔が話しかける。

「お、おい、水斗…」

「てめぇ水斗! 何氷華傷つけてんや!」

大輔の言葉を遮り、さくらが割ってはいる。

そして水斗の頭を殴った。

「ちょ、さくら。グーで…」

「大輔は黙っとれ!」

「は、ハイごめんなさい」

さくらの気迫に思わず後退りする大輔。

「……」

水斗は殴られても、ただ無言のまま。

さくらは構わず続ける。

「お前、まず先に言っとくけどなぁ、女子にあんな言い方ないやろ! 失礼や!」

「……」

「あとお前、氷華の気持ち考えたことあんのか!? あんな言い方されて、どんなにショックやったかわかってんのか!?」

「……」

「物事は考えてから言え! だからお前はバカなんや!」

「……」

「お前男やろ! 何か言え!」

「わかってる!!」

水斗が怒鳴る。

「わかってる。俺だって、氷華を傷つけたくなかった……。でも、氷華にも、俺の気持ちわかってほしかったんだ、考えてほしかったんだ!」

「そんなの…」

「無理だって言うんだろ? でもな、お前だって俺に同じこと押し付けてる」

「……」

さくらは悔しそうに目をそらした。

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