君の左のポケットで~Now&Forever~
再び動き出した視界に、今度は看板が混じり始める。
レンのこぐ自転車が止まるのは、この通りを過ぎるともうすぐ。
お弁当屋さんの赤い看板が見えて、
ブルーのコンビニの看板を過ぎて、
大きな緑の看板を越して、
オレンジの屋根が見えてきたら、左折して…そう10秒くらい。
わたしは自転車のかごに乗ってここまで来たこともあるから、大体知ってる。
グレイの外壁の建物の前に、大きなトラックがたくさん止まっている、宅配業者の集配センター。
月、水、金の3日間、レンはここでアルバイトをしている。
講義が少なくて、早めに帰れる日を選んでるみたい。
自動ドアの開く音がすると同時にレンの「おはようございます!」が聞こえる。
元気のいい良く通る声は、しっかりとした、気持ちのいい声。
わたしの好きな声。