あの日の朱雀
朱雀さんと歩いた通りを
私は桂馬さんと歩いてる。
「夕空、鯛焼き食べる?」
桂馬さんが鯛焼き屋さんを指差す。
「…はいっ。」
笑わなくちゃ。
楽しまなくちゃ
あの人を思い出してしまうから。
「うまい?」
鯛焼きをほおばる私に、桂馬さんは笑顔で聞く。
「はい。一口どうぞ。」
背の高い桂馬さんは、少ししゃがんで私の鯛焼きを食べた。
「ん、美味しい!」
「あ」
桂馬さんの口元に、あんこがついた。
「クスッ」