GAP-Girl×DJ-

とりあえず、なんとかヤス君との問題は解決した。

ちょっと一安心。



――・・・


「ただ今電話に出ることができません」

少し前から聞きなれた、ガイダンスの声。


最近いっちゃんは電話に出なくなった。


あたしとしては特に用事はないにせよ、声くらいは聞きたい。


あたしは一方的に電話を掛けた。

いっちゃんは忙しいっていうけど、着信履歴があれば絶対掛けなおしてくれた。


そんな優しいところも好きだった。


いつものようにいっちゃんは電話に出なくて、

いつものように掛けなおしてくれたある日。


「悪いな、毎回出れんくて。どうした?」

「いいよ別に!たいした用事があるわけじゃないから」


・・・「そっか」って返事が来ると思った。


「・・・あのさ、こう言うのあんま言いたくねえけど・・・用事がないなら電話しないでほしい。」

一瞬耳を疑った。

「え・・・っ?!」

「俺まじで最近急がしくて暇がねんだよ。だからさ・・・悪いけど・・・」

「そうだよね!迷惑だもんね!」


いっちゃんが言い終わる前にあたしの言葉を投げた。


悲しさが大半なんだろうけど、なぜか怒れてしまった。


「もう掛けないから!仕事頑張って!じゃあっ」

いつもはいっちゃんに仕事のキャッチが入って、話はいつも中途半端に終わってしまっていた。

今回は初めてあたしから強制的に切った。




あんな言い方しなくてもいいじゃん・・・

暇がないって、別にあたしだって暇なわけじゃないのに・・・。

いっちゃんはあたしが迷惑なんだよね・・・。
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