Dear my Dr.
家に帰って、ごはんの支度。

今日こそ、ちゃんとオムライス作ってあげるんだ。

ケチャップで、かわいくハートなんて描いちゃったりして。




「おかえりー」

玄関までお出迎え。

もう悩むのはやめた!

せっかくなら、笑顔で送り出してあげたいから。

悠ちゃんの夢のため。

離れてたって、精一杯応援してあげることはできる。

「どうしたの?なんか、いいことあった?」

「なんでもないよー?それより、お疲れ様でした!今日でラスト勤務でしょ?」

「うん、引き継ぎもしたし、完了」

「一杯やりますか?」

「いいね、じゃあビール」

「そう言うと思った!グラス冷やしてあるよー」

「さすが、美波さま」

悠ちゃんが笑う。

私も笑顔になる。

それだけでいいよね?

離れても、きっと変わらないよね?

また帰ってきた時も、同じように笑えるよね?

「…ありがとう」

ふたりでゴハン食べながら、悠ちゃんが言った。

「いつもありがとう」

「なぁに?急に…」

「いつも美味しい料理作ってくれて、いつも傍で笑ってくれて、いつも想ってくれて」

「やだー、照れるじゃない?」

「ホントだよ」

「だって、私は茅島悠哉の妻ですから、ねえ?」

予定とは違うけど、私は悠ちゃんと結婚できてよかったって思ってるよ。

私を愛してくれてる。

そう実感できてるから。
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