そして僕は恋に墜ちた
5.
…僕の名前がシロ。

あまりに似合わなさ過ぎて笑えた。

僕は悪魔だ。人間の命を奪う悪魔。

人の暗い部分を突っ突いて、死に追いやろうとする、悪魔。


『おい!聞いてるのか!!』

低い声に、僕ははっとする。

目の前には、一見天使と見間違えそうな程綺麗な顔をした悪魔が、馬鹿でかい椅子に座り、紫煙を吐いていた。

あぁ。そうだ。

最近の僕の、仕事の成績について、呼び出されていたんだ。

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