そして僕は恋に墜ちた
15.

壊れたテレビ画面に、小さな光が見える。



ぼんやりと、何を考えるでもなくその光を眺めていると

頭痛が治まるにつれて、目の前の砂嵐は消えて行き、光が正体を現した。




窓から見える月。


気の遠くなる程離れた場所から、白く鋭い光で僕を照らしている。



暫く、妖しい光を放つ月を眺めていたが、心配そうにゆっくりと、僕の顔をのぞき込む影に、それは遮られた。



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