先生と教官室
第4章 甘えること





「よし、じゃぁそろそろ帰るな。」





少し経つと、先生がいきなり立ち上がった。





「え?」





「え?って…ここはお前んち。帰るのは当たり前だろ?」






「で、でも!!この前私は先生の家に泊まらされましたっ!!」






「それは俺んちだからいいんだよ!!」






「何でですかっそんなのおかしいです!!」






「おかしくない!!……第一、親御さん帰ってきたら大変だろ?」






「……帰ってこないですよ。今日から一週間程。」






まるで当たり前かのように話す私に、先生が少し驚いた顔を見せる。






「出張なんです、二人とも。だから、家には私だけですよ。」






「…そう、なのか。」






少し戸惑っている先生の服を掴んでみると、先生の顔がもっと驚いた表情をした。






「甘えていいんですよね?さっきそうやって私に言いましたよね?」






「え、あ、あぁ。」






普段はこんな事言わないんだけど…雷への怖さのせいかな。






それとも先生が甘えていいって言ったからかな。






「…今日は、先生と一緒にいたいです。」






「!!!!!」






前より素直になれてる気がする…。






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