それぞれのstory。
「えっ、俺ふられてる?」
「そうじゃなくて。
驚かせてごめんねって言ったの。
私から雄ちゃんをふるなんて有り得ないから。
私も、雄ちゃんが好きだよ。」
「良かった~。」
雄ちゃんは何故か脱力したように、そう言いながらしゃがみこんだ。
「雄ちゃん?
大丈夫??」
「うん。
大丈夫、大丈夫。
瑚遥、俺と付き合って??」
「うん。
宜しくお願いします。」
少し屈んで様子を伺いながら聞いてみると、雄ちゃんは急にシャキッと立って言ってくれたので、私もお辞儀しながらそう返した。
「よっし!
あっ、でも芳人に殺されるな、俺。」
「えっ、何で?
お兄ちゃん??」
いきなり子供みたいに喜んだ後、急にお兄ちゃんが出てきた意味が分からなかったのでそう聞いた。
「いや、あいつに前から瑚遥には手出すなって言われてたから。」
「えっ、何で??」
「瑚遥知らないみたいだけど、あいつかなりシスコンだぞ。
俺だけじゃなく他のやつにも牽制してるし。」
「嘘でしょ?
あのお兄ちゃんが??」
いつも私をからかって楽しんでるお兄ちゃんがシスコンなんて、信じられなかった。