雲から愛の涙

「お前の将来、不安だなぁー」


「あたしの担任が河野先生だってことの方が、よっぽど不安だけどね」



先生の言葉なんて聞かない、という意味合いですかさずヘッドホンを耳につける。


先生の呆れ顔が一瞬目に入ったけれど、気にせずに歩いた。


受験とか……めんどくさい。


頭が考えることを拒否した。だから再び音楽に集中することにした。


チュッパチャップスの棒を持って一旦口から出す。そして口に含む。



「───……」



憂鬱。全てが憂鬱。


なんで教室に入っただけでこんなに注目を集めなきゃいけないの?
< 5 / 20 >

この作品をシェア

pagetop