リフレイン〜3rd Season〜

――…




「ねぇ水樹…あなた顔色悪いわよ?ちゃんと寝てる?ご飯食べてる?」




「えっ…」




オフィスで報告書を書いていたあたしにそう言ってきた朱里。




「あはは…ちょっと食欲なくてさ。あんま眠れないんだよね〜」




あたしは報告書を書く手を止めると、椅子にもたれ掛かった。




「…潤はまだ目を覚まさないの?」



朱里は少し聞きにくそうに声を潜めて言った。




「……うん。もう1週間になるよ」



そう。潤はもう1週間も意識が戻らない。




呼吸器を付けたまま、眠っている。




「諦めちゃダメよ。潤は絶対に目を覚ますわ」




朱里はあたしを慰めるように肩を叩いた。




優しいね、朱里は。




「うん…ありがと」




あたしはそれだけ言うと、報告書を出すために席を立った。




「……はぁ…」




あたしは報告書を片手に溜め息をつく。




< 72 / 384 >

この作品をシェア

pagetop