どうしょうもねぇくれぇ、好き。





「俺だからって…?」



「内緒。」



「んだよ、それ。」




はぁ、と深くため息をつく。



そんな俺の様子を見て瑞季が静かに笑う。




「渉はため息が癖だよね。」




それはお前が側に居るから。


そう思ったけど、言わねぇでおいた。



俺のため息は俺が瑞季の事を考えてるっていう証拠だから。





「さっき声荒げて悪かったな。」



「何かムカつく事があったんでしょ?しょうがない。」



「わりぃ。」



「そう思ったんなら直して欲しいよなー。苛々したら関係ない人にも当たる癖。」




俺が眉毛を下げるとクスクスと楽しそうに笑う瑞季。



日頃、俺が謝るなんて事しねぇから面白いんだろう。




まぁでも




「今日はもうサボって帰ろうか。」



「あぁ。」




俺はお前の笑顔が見れるなら何でもしてやるよ。





< 32 / 176 >

この作品をシェア

pagetop