立夏物語 【キセコン】
「そうかな…」


「ああ、ここも、だいぶ変わったな。昔は、土が剥き出しだったのに、今は、玉砂利が敷かれてる」


「――そう言われれば、そうだね。誰かが、おがくずなんか捨ててたけどそれも無くなってるし。子供の頃に比べれば、確かに綺麗になってるかもね」


まことはそう言って、秀介に向かって振り向いた。

初夏の風に紛れてカエル達の声が聞こえる。何カエルかは良く分らないが結構な数の様だ。


「なあ、まこと…」


秀介は楠の幹でまことを手招きして彼女を自分の傍らに呼び寄せた。
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