龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
タオルを三つ?


どうするんだろう、と思いながらも僕はタオルを濡らして持って行った。

志鶴は『ありがとう』と言って、タオルを両脇に入れ、最後の一本は額に乗せた。


「病院が開いたら行かなきゃ」


手慣れた仕草とその言葉に、僕の胸に嫌な予感が走った。


病院に行かなきゃ?

連れて行って、じゃなくて?

まさか、嘘だろ?

今まで、具合の悪い時も一人で我慢してたって言うのか?


再びウトウトしはじめた志鶴の顔を見ると、痛烈に胸が痛んだ。
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