龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
『絶対彼に愛される――恋愛下手な女子のための完全マニュアル』


恋愛のハウツー本……いや……目次の見出しを見る限り、恋愛とラブテクニックのハウツー本だ。

これを、あの子供っぽい志鶴が読んでいる?


僕は声を殺して笑い

ページをパラパラとめくり

そして、泣きたいくらい志鶴が愛おしくなった。


しおりを挟んだページのタイトルは

『彼に本当に愛されてる?』

だった。


僕は本を元通りに戻し、ベッドに戻った。

志鶴が身を擦り寄せて来る。

僕は彼女を腕に抱きしめ、そっと囁いた。

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